アラサー、ロリィタデビューするってよ。

 小さい頃からふわふわしたスカートやフリフリのフリルがすきだった。レースのハンカチを見るとときめくし、大人になったら毎日ドレスを着たいと願っていた。

そんなちびっこだったので、中学生になるとたった1冊だけ買ったゴシックロリータバイブルを何度も何度も読み返し、学校のバッグに入れていた。あまつさえ、ロリータを着たこともないのに、友達に「この服可愛くない?」と布教までしていた。我ながら恐ろしい子どもである。

中学の終わり頃には、大阪の心斎橋にあった格安ロリータの店でゴスロリもどきを買った。一番安いやつだったと思う。しかし、パニエを買うお金がなく、着ていく場所も勇気もなかったのでその服をどこかに着て行った記憶はない。誰も触っていなければ、今も実家のクローゼットに眠っていると思う。

この調子でロリィタ道を進めばよかったのだけれど、うちにはお小遣い制度がなくて自由に使えるお金がほぼなかった為にこれ以上のものは買えなかった。愛読していたゴシックロリータバイブルも高校時代には青チャートに取って代わられてしまった。

そのあと大学に合格したり仕事したりとロリィタに触れる機会はあったはずなのだけれど、トップ●リュの黄色いラインナップ(味があんまり…なプライベートブランド)を食べる層の金欠だったので、ロリィタには一度たりとも見向きもしなかった。

ー大月は、このままロリィタとは縁を切って生きていくのか。もう、ロリィタとの再会はないのか?そんなことを考えすらしなかった私にロリィタの神が再び微笑んだのは、私の好きなAliprojectのライブでのことだった。

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